プロジェクトスクール@3331レクチャーvol.6

プロジェクトのアイディアは決まった、さぁそれからだ


プロジェクトスクール@3331第2期、第6回目はShare Village Project 村長、トラ男米プロデューサーの武田昌大さんを講師に迎え、『プロジェクトのアイディアは決まった、さぁそれからだ』と題し、講義を行っていただきました。
武田さんは「プロジェクトはゼロから立ち上げることが多い」とおっしゃいます。若手農家とタッグを組んで生産者と消費者を顔の見える関係で結ぶ流通を作る「トラ男プロジェクト」、築133 年の茅葺き古民家を活用し、“村” のコンセプトを用いて都会⇄田舎の交流人口を増やす新ビジネス「シェアビレッジ」など、今はすでに大きな動きとなったプロジェクトも、最初はゼロから始まっています。当たり前といえば当たり前なのですが、何もない状態からどうやってプロジェクトが生み出されていったのか、お話を伺いました。

【実施概要】

日 時: 10月17日(火)

講 師: 武田 昌大 氏(Share Village Project 村長 /トラ男米プロデューサー)

参加生徒数: 13名

 

地元・秋田をなんとかしたい。でも何から…?


ゲームデザイナーを夢見て、東京に出ることばかりを考えていた学生時代の武田さん。ある時、帰省の折に地元の風景がすっかり変わってしまっていることに気づきます。
「商店街はほとんどシャッターが閉じ、人が全く歩いていなかったんですね。このままでは故郷自体がなくなってしまうかもしれない、という危機感を覚えました。でも、実際地元のことは何も知らないわけです。」(武田さん)
何かできたらなぁ…という漠然とした思いから、同郷の若者たちの実施するイベントに参加するなど少しずつ行動を起こし、「自分だったら何ができるか?」を考え始めます。この時点ではプロジェクトの「ゼロ」の段階です。

 

まちを読み解く数式「3k㎡」

ゼロからイチを生み出すタイミング、つまりプロジェクトのコンセプトを考えプロジェクトに落とし込んで行く際、武田さんは3k㎡=大体徒歩10 分以内の生活圏を『まち』として捉えるようにしているそうです。
「僕の場合、『まちづくり』という言葉を掲げる時は、歩いていける距離である3k㎡をどうやったら幸せにできるか?を考えるようにしています。」(武田さん)
また、解決のための具体的な手法も同じ3k㎡ (3k:価値・課題・解決/㎡ :メンバー・マネー)という数式で考えて行くとのこと。(さすが理系…!と思わず言いたくなる、思考のフレームですね。)

 

社会的課題を『自分ごと』に変化させ、人を巻き込むプロジェクトを作る

少子高齢化・人口減少・農業の衰退・地域活性化など、社会課題それ自体と対峙するだけでは、それらを解決するプロジェクトは打ち立てられないと、武田さんはおっしゃいます。
「なぜかというと、往々にして価値も課題も『他人事』なんです。課題を仮定とし、それを確かめる行為として発信・発見・体感しながら自分に身近な問題に落とし込んでいくことが必要です。そこで大事なのは『リアル』。ヒアリングや現地調査など、体験を積み重ねる中で現場のリアルを実態として捉えることで『自分ごと』に変わっていきます。そして、人を巻き込んでプロジェクトを動かして行くためには、その体験を伝えたい!という情熱を持ち、そこから生まれたアイディアをいかに面白く世の中に提供するか(ゲーム性)が重要です。つまり、Real・Passion・Game の3 つの観点がキーになってくると考えています。」(武田さん)

 

 

Point:
人が惹きつけられる「面白さ」「かっこよさ」を大切にした
仕組みやデザインにこだわり、プロジェクトを展開する

「田舎では活動範囲が狭い、コミュニケーション量が少ない、情報を知らないなど、他者との比較が起こらないことで構造的に『価値に気づかない』状態になっていることがわかります。僕が秋田で取り組んでいる『トラ男プロジェクト』(農業)も『Share Village』(古民家)も、地域の中では淘汰されてしまう価値に光をあて、どう「イケてる化」するかが根本にあります。プロジェクトを行う際、必ず念頭に置いているのは『それって面白いの?』『それってかっこいいの?』と問い続けること。デザインやネーミング、キャッチコピーは面白さを伝えるためにとことんこだわって考えますし、このまちは、このビジネスは、そして自分はかっこよくいられているのか、を自問することで、客観的に捉えるように努めています。」(武田さん)
アイディアからプロジェクトへ落とし込む際は課題を自らに引き寄せ、人がトキメク仕組みやデザインでプロジェクトを展開する武田さん。講義のプレゼンテーションを一つ取っても、その迫力とエンターテイメント性に心を打たれたスクール生も多かったようです。芯の通ったインプット・アウプットをされているからこそ、多くの人のワクワクを刺激し、輪を拡げて行くことができるのだと感じました。

これまでの講義